【アメリカ文化】アメリカと日本のクリスマスの違いって?歴史と現代の風習

アメリカ文化

みなさん、「クリスマス」というと何を思い浮かべますか?クリスマスツリー、イルミネーション、チキン、ケーキ、プレゼント、幸せそうな恋人たち、なんだか少しさびしいシングルたち、、、これらが日本のクリスマスのイメージではないでしょうか。

クリスマスは、世界中で広く祝われる祭りであり、アメリカと日本もその例外ではありません。アメリカと日本は異なる文化と伝統を持っていますが、クリスマスは両国で特別な意味を持ち、歴史と現代の風習が重要な役割を果たしています。この記事では、アメリカと日本のクリスマスについて、その歴史と現代の風習に焦点を当てて探ってみましょう。




そもそもクリスマスってなに?

クリスマスについて、実はあまり知らないという人が多いのではないでしょうか?

クリスマスとは、イエス・キリスト降誕祭です。新約聖書では、キリストの生まれた日を特定はしていません。そのため、降誕祭とは、「キリストが誕生した日」ではなく、「キリストが生まれてきたことをお祝いする日」となります。クリスマス(Christmas)は「Christ(キリスト)の mass(ミサ、礼拝)」が由来です。

12月25日が選ばれた経緯にはいくつかの説があります。一つの説によれば、古代ローマ帝国で広く信じられていた「ミトラス教(ミトラ教)」という太陽神を信仰する宗教が、年間で最も昼間が短くなる冬至を境に太陽の力が強まっていくことを祝い、「光の祭り」という行事が12月25日に行われていました。そこで教会は、聖書に救主を光(太陽)とする記述があることなどを理由に、太陽の復活はキリストの復活であるとして、12月25日をキリストの降誕祭に制定しました。

クリスマスは初期のキリスト教会であまり重要な祭りとしては扱われていませんでしたが、4世紀になりキリスト教が公式宗教として認められると、クリスマスの重要性が高まり、多くの宗教的な伝統や儀式が形成されました。その後、中世ヨーロッパにおいてキリスト教の伝統が発展し、クリスマスは教会の祭りから家庭的な祝祭、家族や友人との交流、贈り物の交換、特別な料理を楽しむ祭りへと変化していきました。

アメリカのクリスマス

歴史

アメリカのクリスマスの歴史は、ヨーロッパからの移民と宗教的な伝統に根ざしています。17世紀にアメリカに入植したピルグリムたちは、クリスマスを厳粛な宗教的な祭りとして祝い、贅沢な祝宴や贈り物の交換は行われませんでした。しかし、18世紀には異なる文化や宗教がアメリカに持ち込まれ、クリスマスの祝祭が多様化しました。

19世紀に入ると、アメリカではクリスマスが家庭での祝祭として根付き、クリスマスツリーや飾り付け、贈り物の交換などの伝統が広がっていきました。特に、クリスマスカードサンタクロースといったアイコンが登場し、クリスマスの商業的な側面が発展しました。サンタクロースは、もともとキリスト教の聖人セントニコラスが由来ですが、赤い衣装を着て白いひげをはやした陽気で楽しいイメージのルーツはコカ・コーラの宣伝ポスターだと言われています。

HIINA
HIINA

現代のクリスマスは商業的な側面が強いですね。

現代の風習

現代では、クリスマスは家族が集まり、特別な料理を楽しみながら時間を過ごす大切な日とされています。アメリカでは家族や友人と贈り物を交換することが一般的です。

CHARLIE
CHARLIE

11月のサンクスギビングデーまたは12月のクリスマスどちらかに帰省して、家族で集まるのが一般的だよ!

サンクスギビングデーについてまとめた記事はこちらから。【アメリカ文化】サンクスギビングデー&ブラックフライデーってどんな日?楽しい過ごし方

  • クリスマスカード
    日本でいう「年賀状」のようなもので、親戚や友人、上司、同僚などにクリスマスを祝う言葉やメッセージなどを書いて送ります。
  • ジンジャーブレッドハウスジンジャークッキー
    アメリカのクリスマスには欠かせないアイテムで、スパイスの効いたクッキーを使って家の形に組み立てたものです。
  • 大きなクリスマスツリー
    日本で一般的に飾られるツリーよりも背が高く、家庭によっては本物の天然木を飾ります。クリスマスツリーにはもみの木などの常緑樹が使われますが、その起源として古代より常緑樹が「永遠の象徴」とされていたことが背景にあるようです。
  • クリスマス・キャロル
    クリスマス・キャロルは神をたたえる讃美歌の一種でクリスマスを祝う歌。アメリカでは、クリスマスイブの日に教会に集まった子どもたちが家を回ってクリスマス・キャロルを歌ったり、クリスマスツリーの周りに集まってクリスマスの歌を歌う習慣があります。
  • クリスマスディナー
    七面鳥の丸焼き(ローストターキー)」や「ローストハム」、お肉料理に添えられるクランベリーから作った「クランベリーソース」、肉汁から作った「グレイビーソース」などを食べます。「エッグノッグ」という、ミルクに卵と砂糖を加えて最後にスパイスを効かせた飲み物もアメリカやカナダでクリスマスの定番ドリンクです。

    CHARLIE
    CHARLIE

    日本ではクリスマスケーキが定番だけど、アメリカではクリスマスにケーキを食べる習慣はないよ!

日本のクリスマス

歴史

クリスマスが本格的に日本に入ってきたのは、西洋文化が移入された明治時代以降のことです。その頃にはあくまでもキリスト教のイベントでしたが、一般に広まるにつれ宗教色が薄まり、文化的な形だけが定着していきました。

大正、昭和の初期にはクリスマスは男性が楽しむものという風潮がありました。ダンスホールやナイトクラブで、クリスマスのイベントが行われたりしました。戦後、核家族化が進む中でクリスマスは徐々に家族のイベントになっていきます。お父さんが子どもにプレゼントを買って帰る日という認識が定着します。その後、女性の社会進出が進むと、1980年代には「恋人と過ごす日」というイメージが強くなっていきます。バブルの時代には、テレビや雑誌などの各種メディアでそのようなイメージを植え付けるような宣伝、記事がたくさんありました。そのため現在でも「クリスマスは恋人と過ごすもの」というイメージが強いのだと考えられます。

現代の風習

このように、クリスマスは恋人同士や友人との特別な日として捉えられており、クリスマスイブにはデートやパーティーが行われます。クリスマスにはケーキやチキンといった特別な料理を楽しむ習慣が広がり、多くのレストランやカフェがクリスマスメニューを提供します。贈り物の交換も一般的で、特にカップルや家族間で贈り物を交換することが一般的です。

まとめ

アメリカのクリスマスは宗教的な起源から始まり、家族が集まり、家庭的な祝祭として捉えられています。日本のクリスマスは比較的新しいもので、商業的な要素が強調され、カップルや友人同士の特別な日として楽しまれています。どちらの国でも、クリスマスは特別な時期であり、人々が愛と喜びを分かち合う日として楽しまれています。

ところで、近年「Merry Christmas!」ではなく「Happy Holidays!」という人が増えてきました。キリスト教のお祭りを祝う挨拶である「Merry Christmas!」は他の宗教への配慮に欠けているという解釈をする人が増えてきたからだそうです。

時代の変化とともに、人々の過ごし方も変化していくのですね。みなさんが楽しいホリデーを過ごせますように!

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